このページでは、男性の陰茎が包茎になる理由について、さまざまな角度から考察し解説します。
子供の発育と陰茎の状態
男の赤ちゃんのおちんちんは、その後の発育過程において、どのように変化して行くのでしょうか?順を追って見てみましょう。
生まれた時は、みんな包茎
産まれたばかりの赤ちゃんは、一部の例外を除き、包茎の状態で生まれてきます。
胎児の発生段階における陰茎は、包皮と亀頭は完全に癒着していて、亀頭は包皮に完全に覆われています。
これはごく自然な発達過程の状態であり、出生直後の男児のほぼ全員が包茎です。
そして幼少期を過ぎて、しばらく経っても包茎のままです。
小学生になると、変化が起こる
小学生になっても陰茎は包茎のままですが、幼児から小学生の間に、包皮と亀頭の癒着が少しずつ弱くなり、包皮が自然に剥がれていきます。
亀頭と包皮の剥離が起こるタイミングは、かなり大きな個人差があります。
また、自分のおちんちんに興味を持つようになるのもこの時期なので、自分で皮を剥いたりして遊んでるうちに、包皮が綺麗に剥けるようになる場合もあります。
そして、勃起をするようになるのもこの時期です。勃起することで強引に包皮が引っ張られるので、包皮が露出しやすい状態になります。
こうして陰茎は成長とともに大きくなり、亀頭と包皮は自然に剥離していきます。
ただし、先にも書いたように、小学生の時の陰茎は包茎のままが当たり前の状態です。
小学生の高学年から高校生にかけて
思春期(10〜15歳ごろ)になると、男性ホルモンの分泌が増えて、ホルモンの働きが活発になります。
そして体も大きく成長し、陰茎も少しずつ大きく長くなって行きます。
それと同時に、亀頭も大きく発達することで、包皮が引っ張られて、亀頭が露出しやすい状態になっていきます。
ただし、この一連の成長プロセスも個人差が大きいので、亀頭が露出しやすい状態になるタイミングは、個人によって異なります。
高校を卒業する年齢になると、ホルモンの働きによる体の成長は落ち着くので、陰茎の成長や変化もなくなってきます。
包茎になる理由について
男性の陰茎が包茎になる理由は、主に生まれつきの要因と、生まれた後の要因の2つの理由があります。
先天的要因による包茎
包茎になる理由について
生まれつきの体質など、先天的要因によって包茎になる場合があります。
先天的な要因で包茎になるパターンを、以下にまとめてみました。
亀頭部分を覆っている包皮の先端(包皮輪)が生まれつき狭く、亀頭が出にくい場合があります。
亀頭を露出させようとしても包皮が十分に伸びないので、無理に剥くと痛みを感じたり、包皮が切れたり傷が付く場合もあります。
この状態は、真性包茎の人に多く見られます。
また無理に包皮を剥いて亀頭を露出させると、包皮が戻らなくなり、カントン包茎になることもあります。
2・亀頭と包皮の癒着がある
一般的には、体の成長とともに陰茎が発達し、亀頭と包皮の癒着が自然と弱くなり、剥がれるようになります。
しかし亀頭と包皮の癒着が強く、大人になっても剥離しない場合があります。
この状態は、真性包茎の人に多く見られます。
3・包皮が過剰に長い
陰茎の皮膚(包皮)が長く、勃起時でも亀頭が露出しにくい場合があります。
亀頭と包皮の癒着はないので、手で皮を剥くことで亀頭を露出させることができます。
この状態は、仮性包茎の人に多く見られます。
4・陰茎が短い
生まれつき、陰茎の発達が十分ではない場合があります。
陰茎が短いことで、勃起をしても亀頭が包皮で覆われて、十分に露出しないことが多いです。
この状態は、仮性包茎の人に多く見られます。
5・亀頭が小さい
体の成長とともに陰茎が発達し、亀頭も大きくなりますが、亀頭の発達が十分ではない場合があります。
包皮が剥けても、亀頭が小さいことでひっかかりが弱く、亀頭が露出しにくい状態になります。
この状態は、仮性包茎の人に多く見られます。
上記の要因は、単独で包茎になる場合もあれば、複数の要因が重なって包茎になる場合もあります。
例えば、亀頭と包皮の癒着があり、陰茎が小さく短いなどの場合です。
むしろ、複数の要因が重なって包茎になることの方が多いかもしれません。
先天的要因による包茎についての考察
先天的な要因による包茎は、必ずしも生まれつきの病気ではありませんので、間違えないようにしなければいけません。
上の項目で取り上げた5つの要因は、男の子として生まれてから大人になる発達のプロセスにおいて、複数あるバリエーション、という言い方が適切だと思います。
いわゆる、陰茎の発達の仕方の個体差です。従って、先天的な要因によって包茎である男性が、最も多い状況になっています。
ただし包茎が原因で、排尿や性行為に支障がある場合は、正常な陰茎とは言えませんので、適切な治療が必要です。
特に真性包茎とカントン包茎の場合は注意が必要なので、心配な場合は、専門のクリニックで診察することをおすすめします。
また、仮性包茎は先天的な体質のひとつとして多くの男性に見られる、ごく一般的な陰茎の状態です。
遺伝的な体質や陰茎および包皮の成長バランスの違いによって、大人になっても完全に包皮が剥けずに残る場合が多々あります。
排尿や性行為に支障がなくても、衛生的に問題がみられる場合もあるので、気になる場合は専門のクリニックで診察することをおすすめします。
後天的要因による包茎
亀頭と包皮の癒着もなく、皮が自然と剥けていた人でも、ある時期から剥けなくなり、亀頭が包皮で覆われてしまうことがあります。
この場合は、怪我や病気または疾患や、皮膚の変化などが関係していることが多いです。
後天的な要因で包茎になるパターンを、以下にまとめてみました。
亀頭包皮炎(カンジダ性亀頭包皮炎)や性感染症(クラミジア、淋菌、ヘルペス)などが原因で、包茎になる場合があります。
包皮が炎症を起こし、治癒すると皮膚が固くなることで、包皮に柔軟性がなくなります。
そうすると、それまで剥けていた包皮が亀頭部分を覆うようになり、包茎になります。
亀頭と包皮の癒着が進んでしまうと、真性包茎に進行することもあります。
亀頭包皮炎は大人だけでなく、子供もなりやすい疾患の一つです。
2・疾患に伴う皮膚の変化
代表的なものでは、硬化性苔癬(こうかせいたいせん)という疾患が原因で、包茎になる場合があります。
皮膚が白く硬化そして萎縮していく病気で、陰茎の場合は包皮口が徐々に狭くなり、真性包茎の原因になる時もあります。
硬化性苔癬は中高年の男性に多い難治性の疾患で、外科的な治療が必要になることもあります。
3・外傷や医療処置の影響
何らかの原因で陰茎が外傷をおい、包皮に傷がついた場合に、包茎になることがあります。
子供の時に、無理に陰茎をいじったり、包皮を強く引っ張るなどの行為によって、傷がつく場合があります。
傷が繰り返しつくことで、傷口は固くそして縮んでいきます。そすうると包茎になりやすい状態になってしまいます。
また、一部の外科的処置(尿道手術など)によってできた傷跡が原因で、同じようなに包茎になる場合があります。
4・衛生面の問題
衛生面に問題があると、包皮の内側に恥垢(ちこう)が溜まりやすくなり、細菌感染や真菌感染(カンジダ)などを起こしやすくなります。
感染すると、包皮の先端部分(包皮口)が炎症を起こします。細菌感染と炎症を繰り返すと、包皮はどんどん固くなり、縮んでいきます。
そして包皮口が狭くなり、包茎になる場合があります。
恥垢は古い皮膚や尿、分泌物などが乾燥した固形物です。臭いを発する場合もあり、陰茎の衛生面で最も問題になる要因の一つです。
5・肥満
肥満が原因で、骨盤の周りにある恥骨部分に脂肪が多く付くと、陰茎の基部(根本)が脂肪に埋もれてしまい、陰茎が短くなります。
そうすると、包皮が長く余りやすくなり、包皮が亀頭を覆うことで包茎になる場合があります。
このような肥満による包茎を、「埋もれ陰茎」と言う場合もあります。
何を基準として肥満とするか、非常に難しいですが、見た目が太っていない人でも、股間の部分、特に陰茎の付け根部分に脂肪が多いと、包茎になりやすい、と理解するのが良いと思います。
また生まれつきの体質で、幼少時より肥満体質(脂肪が付きやすい)の人もいます。
このような場合は、先天的な要因も含まれるので、包茎の原因を特定することは難しいです。(原因を特定する必要はないかもしれません)
いずれにせよ、体型が原因で包茎になる場合は、後天的な要因とすることが多いです。
6・加齢による皮膚の変化
人間の皮膚は、年齢とともに硬くなり、そして伸縮性が低下します。いわゆる皮膚の老化です。
それまで亀頭部分が剥けていた人でも、加齢によって包皮口が硬化して狭くなり、包茎になる場合があります。
また加齢が原因で、陰茎そのものが小さく、そして短くなる場合もあります。そうすると、包茎になりやすいです。
皮膚は一度伸びてしまうと、陰茎が小さくなっても縮まない、という性質があるので、包皮が無駄に余ってしまう場合があるのです。
上記の要因は、単独で包茎になる場合もあれば、複数の要因が重なって包茎になる場合もあります。
例えば、加齢と肥満が原因で包茎になる、という場合も多々あります。
後天的要因による包茎についての考察
後天的な要因だけで包茎になるのではなく、先天的な要因も同時に関係して包茎になる場合もあります。
例えば、生まれつき陰茎が短いことで、感染症になりやすく、炎症を繰り返すことで包茎になる、という場合などです。
このように、包茎になる原因は多岐にわたるので、簡単にまとめることは難しいのが現状です。
また、陰茎が感染症や疾患を患った場合は、直ちに診察および治療が必要です。
そして包茎が原因の場合は、再発を防ぐために、包茎手術をおこなうこともあります。
その他の要因による包茎
先天的とも後天的とも、どちらとも言えないようなことが原因で包茎になる場合があります。
考えられる要因を以下にまとめてみました。
小学生になると、おちんちんで遊ぶことを覚える場合があります。人によっては、もう少し早い時期かもしれません。
遊ぶと言っても、エッチな遊びではありません。
例えば、友達同士でオシッコを遠くに飛ばす遊びなどです。
おちんちんに皮が被っている状態でオシッコを飛ばすよりも、皮を剥いた方がオシッコが遠くに飛ぶのです。
また小学生になると、自分のおちんちんに興味・関心を持つようになり、皮を引っ張ったりいじったりする行為も、広い意味では遊びの一つです。
子供の時に、このような遊びをまったくしないまま大人になると包茎になりやすい、という考え方が一部にあります。
特に、亀頭と包皮の癒着の程度には個人差があるので、子供の時におちんちんの皮を剥くような遊びをしないことで、癒着がどんどん強くなることがあります。
しかし、癒着のそれほど強くないおちんちんの場合は、おちんちんの遊びをしなくても自然と剥離が起こり、綺麗に亀頭が露出することもあります。
2・自慰行為(マスターベーション)との関係
小学生になる頃に、男の子は自然と勃起をするようになります。そして自慰行為を覚えるようになります。
自慰行為の開始時期に関しては非常に個人差が大きいですが、高校生になった時には、ほぼ全員の男子が自慰行為を経験しているようです。
上で記したおちんちんの遊びと同様、比較的に早い時期に自慰行為をすることで、包皮が剥けやすくなり、包茎になりにくくなる、という考え方が一部にあります。
自慰行為の方法には個人差があり、また正しい自慰行為というものもありませんので、自慰行為と包茎になることを結びつけることは、少し無理な部分もあります。
その他の要因による包茎についての考察
子供の時のおちんちんの遊び有無も、自慰行為の有無も、包茎になるかどうか、という因果関係は全くありません。
たとえ子供の時に自慰行為を全くしなかったからと言って、大人になっても包茎のままになる訳ではありません。
この場合、子供の時のおちんちんの遊びや自慰行為は、包茎の改善になるかどうかではなく、亀頭部分と包皮の癒着がなくなり、亀頭の露出が促される、と解釈することがスムーズな理解になります。
あくまでも考え方の一つとして、子供の時のおちんちんの遊びや自慰行為によって、包茎でなくなる可能性がある、と理解する程度に留めることが必要です。
何故なら、子供の時のおちんちんの遊びや自慰行為と包茎の関係に、医学的な根拠は全くないからです。
包茎になる最も大きな要因は、最初に説明した、先天的な要因が非常に大きいことを理解しなければいけません。
小学生の時におちんちん遊びを毎日していても、生まれつき陰茎が小さかったり、亀頭の発達が十分でない場合は、大人になっても包茎のままであることが多いのです。
また、子供の時に無理におちんちんを触ることで、陰茎に傷が付く場合もあるので、絶対に必要な遊びではない、と理解することも必要です。
包茎になる理由についてのまとめ
包茎になる理由について、あらゆる角度からまとめてみました。
包茎は生まれつきの体質であり、どのような包茎か、または包茎ではないのか等、一人ひとりの身体の特徴の一つであることが理解できました。
しかし、そこから先の「包茎」の解釈においては、宗教や文化などの違いによって、非常に大きな違いになっているのが現状のようです。
男性の陰茎が包茎になる理由について、まだまだ不十分な説明もありますが、参考にしていただければ幸いです。
なお、包茎に関しては、別のページで詳しく解説しているので、そちらもご覧ください。